腎移植内科研究会

腎移植内科研究会・第4回学術集会

非移植施設 腎臓内科における腎移植後外来診療体制の構築


○鈴木 聡1、小島 光晴1、岡田 亜希子1、森田 理恵子1、森 真義1、北川 章充1、 二村 健太2、辻田 誠2、後藤 憲彦2、鳴海 俊治3、渡井 至彦3
1JA 愛知厚生連 海南病院 腎臓内科、2名古屋第二赤十字病院 移植内科、3名古屋第二赤十字病院 移植外科

多くの腎移植非実施施設の腎臓内科医は、長年診療していた CKD 患者でも腎移植希望時は移植施設を紹介し終診となり、実際の腎移植周術期や移植後の患者に接する機会はない。このことは腎代替療法提示の際、移植について十分な情報が提供できていない可能性を孕んでいる。
当院は非移植施設であるが、地域基幹病院で CKD 初期から透析期の診療をおこない、腎臓内科後期研修医を輩出している。腎臓内科医として腎移植臨床を学ぶにあたり、第一段階として、紹介患者移植手術の際は紹介主治医も手術に入り、また移植外来見学をさせて頂く医師の連携を確立した。第二段階と して、医師・看護師・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・事務に対し研修会を開催しチームとしての受 け入れ準備を行った。最終段階として、術後 1 年を経過し安定状態にある紹介患者を当院に逆紹介頂き、 2015 年から腎移植外来を開設し、移植後管理をしている。
当院の腎移植外来では移植紹介医が再び移植後患者を担当しているが、移植施設から医師を派遣頂き、情報を共有し継続的に移植講義もして頂くことで安全な医療を提供している。これにより腎臓内科医をはじめメディカルスタッフが移植を身近なものに感じ、また患者や家族からも地元病院で移植前後に安心して診察が受けられる満足度も高い。