腎移植内科研究会

腎移植内科研究会・第1回学術集会

原発性巣状分節性糸球体硬化症(primary FSGS)の腎移植後再発に対する血漿交換療法およびリツキシマブ投与症例の検討


○二村 健太1、永井 崇敬1、岡田 学1、山本 貴之1、辻田 誠1、平光 高久1、後藤 憲彦1、 鳴海 俊治1、渡井 至彦1 
1名古屋第二赤十字病院 移植・内分泌外科

【背景】原発性FSGSにおける腎移植後再発は免疫抑制剤を使用しているにもかかわらず高率である。またFSGS再発症例の一部に血漿交換療法やリツキシマブ(RIT)が有効であるとの報告がみられるが、どのような症例で有効かは明らかでない。
【対象】2003年から2014年に当院で施行した、原疾患が原発性FSGSの腎移植レシピエント22症例に関して検討した。
【結果】22例中、移植後FSGS再発8例(再発率36.4%)。8例のうち1例はステロイド増量+LDL吸着療法で寛解。1例は血漿交換のみで寛解。3例はRITのみで寛解。血漿交換+RITを使用した3例中1例は寛解したが、2例は不応であった。
【考察】腎移植後FSGS再発の一部に対して血漿交換療法およびRIT投与は有効である。血漿交換療法やRITによる治療効果を予測する因子等について、文献的考察を交えて報告する。