腎移植内科研究会

腎移植内科研究会・第3回学術集会

当院における腎代替療法選択外来の役割


◯永山 聖光、安達 崇之、小禄 雅人、潮平 芳樹
社会医療法人友愛会豊見城中央病院 腎臓内科

【背景と目的】 当院では毎年 40 名ほどの新規透析導入患者がいるが、以前は血液透析による導入がほとんどであった。 3 種類の腎代替療法(RRT)を提供できる病院の一角でありながら、移植、PD の選択肢提供を提示して も既存の医師のみのRRTで充分に説明できていないことを考慮し、 2011年10月に医師以外にコメディカ ル(看護師、薬剤師、栄養師、心理士)を中心とした腎代替療法選択外来(そらまめ外来)を開始した。 そらまめ外来開始後の当院における RRT 診療の現況を評価する。

【方法】 ①2014 年 1 月~2016 年 12 月にそらまめ外来を受診した患者を対象に、移植、PD、HD の各々の代替療法選択率変化の評価を行う。
②当院スタッフ(医師、コメディカル 54 名に実施 46 名回収)へ腎代替療 法に関するアンケートを行い、スタッフの RRT に対する意識調査を実施する。

【結果と考察】 2014 年の患者通院実数は 84 名(延べ 430 名)、2015 年は 107 名(延べ 720 名)、2016 年は 86 名(延 べ 795 名)で、腎代替療法における移植選択率は 4.8%、 9.7%、14.3%と上昇( PD 選択率は 19.0%、32.3%、 40.0%)した。スタッフの意識調査では、理想とする RRT は移植、PD が HD を上回る結果であった。

【結語】 コメディカルを主体とする療法選択外来の介入後、当院での移植、PD の選択率は上昇している。多職種での RRT 介入は移植、PD の普及に有効である。