日本腎移植内科研究会

腎移植内科研究会・第4回学術集会

顕微鏡的血尿を有する腎ドナーの組織学的所見と腎予後


○石渡 亜由美1、海上 耕平2、白川 浩希3、若井 幸子1、田邉 一成4
1東京都保健医療公社大久保病院 腎内科、2東京女子医科大学 腎臓内科、3東京都保健医療公社大久保病院 泌尿器科、4東京女子医科大学 泌尿器科

生体腎移植ドナーの術前評価で顕微鏡的血尿を認めることは稀ではない。蛋白尿陰性でも、持続する顕微鏡的血尿は末期腎不全の予測因子になるという先行研究もあり、術後片腎になるドナーにおいては特に、血尿の原因としての糸球体病変の評価が重要となる。今回我々は術前に顕微鏡的血尿を認めるドナーの腎組織所見と腎提供後の短期的腎予後について調査した。
対象は東京女子医科大学泌尿器科、大久保病院移植外科において 2015 年 1 月から 2016 年 12 月に腎提供を行ったドナー240 例。術前の顕微鏡的血尿陽性は 56 例(23.3%)で、10 例で糸球体性血尿を認めた。 組織学的所見(0hr biopsy)は IgA 腎症 6 例、IgA 沈着症 4 例、菲薄基底膜病 1 例、腎硬化症 1 例、FSGS 病変 1 例、半月体形成 1 例であった。術後に少なくとも 1 度以上の受診歴があった 218 例について、術前血尿陽性群(52 例)と陰性群(166 例)で比較検討を行った。観察期間 17(6.75-25)か月において、術前と術後の腎機能低下率(ΔGFR)は両群で有意差を認めなかった(血尿陽性群 34.25±8.70%、陰性群 34.72±7.97%、p=0.71)。術前血尿陽性群のうち 19 例で術後も血尿が持続しており、慎重なフォローアップが必要と考えられた。若干の文献的考察を加えて報告する。