腎移植内科研究会

腎移植内科研究会・第4回学術集会

若手腎臓内科医に対する腎移植の意識調査


○清水 真央、吉川 美喜子、西 慎一
神戸大学大学院医学研究科 腎臓内科 腎・血液浄化センター

【背景】 腎代替療法の療法選択は保存期腎不全の時からの医療者との関わりが大きく影響する。神戸大学での腎移植は自施設・腎臓内科関連病院から、特に先行的腎移植の紹介が増加している。

【目的】 若手腎臓内科医(12 年目未満)の腎代替療法の情報提供の現状や腎移植に対する意識について調査し、若手腎臓内科医への腎移植の啓発の方法を検討する。

【方法】 神戸大学腎臓内科に所属する若手腎臓内科医および滋賀県内の若手腎臓内科医に対しwebおよび質問紙 によるアンケートを施行した。アンケートの内容は①腎代替療法の情報提示と導入の現状 ②腎移植に対する知識 ③腎移植への意識・興味についてである。

【結果】 アンケートに回答したのは神戸大学腎臓内科に所属する若手腎臓内科医師 17 名、滋賀県内の若手腎臓内科医師 28 名であった。神戸大学は腹膜透析、滋賀県は腎移植で 5 割を超える医師が過去一年の導入がないと回答した。腎代替療法の情報提供は両者とも外来・入院主治医が多く、滋賀県では透析室看護師も情報提供をする施設が多数みられた。情報提供は血液透析を強調すると回答したのが滋賀県で有意に多 かった。
しかし滋賀県の医師は腎移植に関する知識は神戸大学より乏しいが、腎移植維持期の管理に関する興味は有意に高かった。

【結語】 若手腎臓内科医師の腎移植に対する興味は高いが、腎移植の知識や経験を得る機会が乏しいと情報提供が積極的に行えないことがわかった。腎移植の機会を末期腎不全患者に情報提供するために、若手腎臓 内科医への腎移植の教育プログラムの構築が望まれる。