この度、第8回腎移植内科研究会 学術集会2023を主催させていただくこととなりました。我が国の移植医療は外科系医師が中心となり発展を遂げてきましたが、内科医の診療参加が求められて久しくその機運は年々高まっており、本研究会の意義を実感しております。筑波大学附属病院では 移植外科、泌尿器科に加え、腎臓内科が移植医療に参画し、3診療科を中心とした腎移植チームとして移植診療にあたって参りました。生体腎移植を再開し今年で10年目を迎えます。茨城県では3診療科連携体制を採用していますが、地域ごとに適切で無理のない診療体制を取ることが大切であり、それを支える一員として内科医が参画する時代が来ていると思います。今回ご発表いただく診療連携を取り上げた2つの一般演題も参考になると思いますので、ぜひご聴講ください。
本研究会は内科医・腎臓内科医に向けた腎移植医療の普及・啓発、若手育成を主な目的として2015年に発足しました。毎年の学術集会では若手内科医が腎移植医療をより身近に感じることを意識するだけではなく、各地域で腎移植患者の診療を行うみなさまの疑問を解決し情報共有の場となるようにプログラムが組まれてきました。第8回集会も例年と同様に、移植倫理、術前診療、免疫抑制療法、抗HLA抗体検査、腎炎、拒絶、透析再導入、移植後感染症と移植管理の必須事項に一通り触れることができるプログラムを準備できました。みなさまの明日からの診療にお役立ていただけるのではないかと思います。交通の便の良さを最優先し、東京駅に近い会場を手配しましたので、お誘い合わせの上ぜひ会場に足をお運びください。
第8回腎移植内科研究会 学術集会2023
会長 臼井 丈一(筑波大学医学医療系臨床医学域 腎臓内科学)
- 会場
- アットビジネスセンター東京駅八重洲通(501会議室)
2023年7月16日(日)
- 8:10-8:50
- 幹事会(会場:601会議室)
- 8:30-
- 受付開始
- 9:00-9:05
- 開会の挨拶
-
臼井 丈一
筑波大学医学医療系臨床医学域 腎臓内科学
- 9:05-9:55
- よくわかるシリーズ1(発表20分討論5分)
- 共催:
- ノバルティス ファーマ株式会社
- 座長:
-
谷澤 雅彦先生
聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科
腎移植前の評価と管理
- 演者:
-
西平 守邦先生
友愛医療センター 腎臓内科
術前免疫学的リスクに基づいた免疫抑制療法
- 演者:
-
奥見 雅由先生
京都府立医科大学 泌尿器科
- 9:55-10:45
- よくわかるシリーズ2(発表20分討論5分)
- 共催:
- 株式会社ベリタス
- 座長:
-
豊田 麻理子先生
熊本赤十字病院 腎臓内科
腎移植におけるHLA検査(移植前評価と移植後のフォロー)
- 演者:
-
吉田 雅弥先生
熊本赤十字病院 検査部検体検査課
HLA検査から長期生着を目指す腎移植、急性拒絶の回避(移植前評価と移植後のフォロー)
- 演者:
-
山永 成美先生
熊本赤十字病院 外科
- 10:45-10:55
- 休憩
- 10:55-11:55
- 一般演題1 移植倫理・術前・診療連携(発表8分討論4分)
- 座長:
-
長浜 正彦
聖路加国際病院 腎臓内科
1. 5学会におけるイスタンブール宣言2018の同意・発出および全内科医への臓器移植医療への理解と取り組みについて
- 演者:
-
酒井 謙
東邦大学医学部 腎臓学講座
2. 死戦期の腎機能低下によりドナーとしての適応に苦慮した脳死腎移植の一例
- 演者:
-
関野 佳奈子
弘前大学大学院医学研究科 循環器腎臓内科学講座
3. 選択的血漿交換を用いた腎移植術前脱感作療法の取り組み
- 演者:
-
井上 貴博
東京女子医科大学病院血液浄化療法科/つくば腎クリニック
4. 当院の腎移植における腎臓内科医の役割 ―症例数の増加と高いPEKT率について―
- 演者:
-
毎熊 政行
順天堂大学医学部附属順天堂医院 腎高血圧内科
5. 当院での腎移植チームの構築~泌尿器科と腎臓内科が連携した新体制~
- 演者:
-
玉垣 圭一
京都府立医科大学 腎臓内科
- 12:00-12:50
- ランチョンセミナー PDと腎移植
- 共催:
- 株式会社ジェイ・エム・エス
- 座長:
-
尾田 高志 先生
東京医科大学八王子医療センター 腎臓病センター腎臓内科
内科医だからできる包括的腎代替療法の実践~個別性を重視したPDと腎移植~
- 演者:
-
栁 麻衣 先生
日本赤十字社医療センター 腎臓内科
- 12:50-12:55
- 休憩
- 12:55-13:05
- 事務連絡
- 13:05-14:05
- 特別講演
腎移植のためのIgA腎症の病因論
- 座長:
-
臼井 丈一
筑波大学医学医療系臨床医学域 腎臓内科学
- 演者:
-
鈴木 祐介 先生
順天堂大学大学院医学研究科 腎臓内科学
※本講演の受講で日本臨床腎移植学会 腎移植認定医制度更新のための単位1単位【カテゴリー1:CKDと透析療法】が取得できます。受講証明書は特別講演終了後より閉会時まで、受付にて配布いたします。
- 14:05-14:53
- 一般演題2 腎炎・拒絶・透析再導入(発表8分討論4分)
- 座長:
-
小口 英世
東邦大学医学部 腎臓学講座
1. 多発性嚢胞腎を原疾患とした生体腎移植後に巣状分節性糸球体硬化症を発症した一例
- 演者:
-
川勝 拓也
神戸大学大学院医学研究科 腎臓内科/腎・血液浄化センター
2. 移植後6年でde novo C3腎炎を呈した一例
- 演者:
-
髙橋 真由美
日本学術振興会特別研究員DC / 筑波大学人間総合科学学術院人間総合科学研究群
3. 腎移植患者における尿中Basigin/CD147のT細胞性拒絶反応マーカーとしての有用性について
- 演者:
-
辻田 誠
増子記念病院 腎臓内科
4. 腎移植後透析再導入の課題
- 演者:
-
大木 里花子
東京女子医科大学 移植管理科/腎臓内科/泌尿器科
- 14:53-15:05
- 休憩
- 15:05-16:05
- 一般演題3 移植後感染症(発表8分討論4分)
- 座長:
-
海上 耕平
東京女子医科大学病院 移植管理科
1. 献腎移植後30年目に難治性EBV関連移植後リンパ増殖性疾患を発症した1例
- 演者:
-
京 哲弥
岩手県立中央病院 腎臓・リウマチ科
2. 帯状疱疹後の下肢運動麻痺 ―腰椎疾患・下肢骨折,糖尿病性神経障害などの併存により判断に難渋した腎移植患者の1例―
- 演者:
-
山野 水紀
湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター
3. 十分な治療期間を設定したにも関わらず初回治療に失敗した移植腎に生じた急性巣状細菌性腎炎の1例
- 演者:
-
余西 洋明
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 移植内科・移植外科・内分泌外科/大阪大学大学院医学研究科 腎臓内科学
4. 非結核性抗酸菌症による腸腰筋膿瘍を発症した腎移植後患者の一例
- 演者:
-
西沢 慶太郎
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 移植内科・移植外科
5. 腎移植維持期患者のエピソード時の管理、感染症(ミニレクチャー)
- 演者:
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村上 穣
JA長野厚生連 佐久総合病院 腎臓内科
- 16:05-16:10
- 閉会の挨拶
-
次期会長